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月刊 用地BIZ 2017

2015年
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[3月号特集]特別インタビュー

2016.3.11

牛窪 恵氏
  • 消費トレンドと首都圏郊外
  • インバウンドで高まる「ニッポン」のブランド価値
  • マーケティングライター
    牛窪 恵氏

 2015年の流行語大賞にも選ばれた「爆買い」。中国人を中心とした訪日外国人観光客(インバウンド)のたくましい消費力は、今や日本経済の活性化に欠かせない。これからのサービスや消費スタイルはどう変わっていくのか。「草食系男子」「おひとりさまマーケット」などを世に広めた気鋭のマーケティングライター・牛窪恵氏に、消費トレンドの最新傾向と首都圏マーケットの行方を聞いた。

インバウンドで日本の何がどう変わる?

牛窪 恵氏 Profile 牛窪 恵(うしくぼ・めぐみ)氏
世代・トレンド評論家/マーケティングライター/インフィニティ代表取締役

日本大学芸術学部卒業後、出版社に入社。独立後、トレンド、マーケティング、世代論などのテーマで、取材、執筆、講演を行う。2001年、マーケティングを中心に行う有限会社インフィニティを設立。2005年には財務省財政制度等審議会専門委員に。「おひとりさま(マーケット)」(05年)、「草食系(男子)」(09年)は、新語・流行語大賞に最終ノミネート。テレビ、ラジオでのコメンテーター出演多数。

――政府は2020年までに、訪日外国人観光客数(インバウンド)の目標数値を年間3000万人へと大きく引き上げました。企業にとってどのような影響がありますか。

 いろんなお客様が急激に増えればそのスピードに対応しなければいけません。ホテルの新設やオフィスのコンバージョン、民泊などでインバウンドを受ける“箱”は対応できるでしょう。しかし、サービスに従事する人の育成には時間やコストがかかります。これが2020年に向けて大きな課題となります。2020年後も労働力人口が減っていく中、少ない人でどうビジネスを回すかということも課題になります。逆に企業にとっては、その課題を解決することがビジネスチャンスになるでしょう。

――インバウンドの流れはしばらく続くのでしょうか。

 2015年のインバウンド数は1970万人を突破し、消費額は3兆円を超えました。政府はこの動きを積極的に支援していくでしょう。これまでもビザ要件の緩和や免税品の拡大、手続きの簡素化など様々な整備を進めてきており、インバウンド増加の流れは続いていくと思います。

――インバウンドの主役はやはり「爆買い」が話題になった中国人ですか。

 2015年の中国からの旅行者は500万人近くに上り、国別の第1位になります。次いで韓国の約400万人、台湾が約368万人と続くなど、アジア全域から訪日客が訪れ、アジアでインバウンド全体の約8割を占めます。

――観光や宿泊、ショッピングなど、滞在中の行動スタイルに変化は見られますか。

 観光客の日本での過ごし方は昔とは大きく変わっています。一つの理由にSNSの存在があります。SNSを介して日本の生の情報や等身大のライフスタイルが発信され、それらを体感したいという来日動機が増えているのです。

 食でいえば、寿司、天ぷらといったスタンダードな和食だけでなく、もんじゃ、綿菓子といったローカルな食を体験したいというニーズが生まれています。観光にしても、例えば渋谷のスクランブル交差点を見たいといった、これまでになかったスポット巡りが流行しています。

――インバウンドのリピーターは、より独特な旅行スタイルにこだわるものですか。

 郊外や地方を訪れる外国人観光客も増えています。ネコの「たま(ニタマ)駅長」を見たいと和歌山電鉄に乗車する方がいるかと思えば、アニメの聖地を“巡礼”する方もいます。大都市に限らず、日本のファッションやアニメなどのポップカルチャーを体感する、そういった動機で日本を訪れているのです。

――観光客にとって、ショッピングも大きな目的ですね。

 近年はコンビニエンスストアでの消費も顕著になり、買い方や購入するものが多様化しています。コンビニエンスストアに並ぶ商品はトレンドの先端であり、今や立派なおみやげになります。逆に、ご当地のカップラーメンや抹茶味のチョコレートなど、観光客からヒット商品が生まれることもあるのです。

訪日外客数の推移
※出典:日本政府観光局(JNTO) *2015年は推計値、2020年は目標数値

日本人の消費スタイルは「メリハリ型」

牛窪 恵氏

――インバウンドの消費が活発な一方、日本人の消費マインドはいかがでしょうか。

 景気低迷が長く続き、多くの日本人に倹約志向が根づいています。ですから、少し景気が上向いたからといって、消費活動の急激なアップは期待できません。ただ、消費に元気な世代も確実に存在します。

 定年退職されたシニア層は、退職金や貯蓄などを原資とした旺盛な消費意欲が見られます。長年まじめに働き続けてきたごほうびに夫婦で豪華な旅行を楽しんだり、孫のために20万円近いランドセルをプレゼントしたりするなど、高額商品が売れているのです。団塊世代と団塊ジュニアは親子関係が密接なケースが多く、家族の絆や思い出作りに関する消費が伸びています。住宅をはじめレジャーや金融など、様々な企業が2世代3世代向けの消費に注目しています。

――若手世代の消費意欲はどうでしょうか。

 社会人になる頃にはバブルが崩壊していた団塊ジュニア以降は、それ以前の世代とは消費スタイルが大きく違っています。「断捨離」ブームが一面を示しているように、モノを持たないシンプルライフを志向し、上の世代ほど消費を欲していません。たまに使うものはレンタルで済ませるなど、皆が必ずしも所有にこだわらなくなってきています。

 ただ、日常生活に関するコストは最小限に抑えつつも、記念日や自分へのごほうびなど、特別な時間や機会には積極的な消費が見られるのです。普段使いのものはコスト重視でリーズナブルに、物語性のあるイベントにはしっかりお金を使う。私は「メリハリ消費」と呼んでいるのですが、日常と非日常とで上手に使い分けを行っているのです。

――常に倹約するのでなく、必要な時には出費を惜しまない消費スタイルということですね。

 ただ安いだけの商品やサービスに飛びつくのでなく、必要なコストは負担するといった賢い消費スタイルが日本でも台頭してきたように思います。例えば、途上国の作物や製品を適正な価格で取引する「フェアトレード」も日本に根づいてきました。平成生まれの子どもは学校でボランティアや環境教育の授業を受けており、今後もこうした意識に基づいた賢い消費が進んでいくと思います。裏を返せば、地球環境によいとか貧困地域のためになるといった商品であれば多少高くても売れるし、企業のブランド価値も上がるという良い循環が生まれつつあるのです。

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