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月刊 用地BIZ 2017

2014年
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2014年10月10日

特別インタビュー 業界別・最新経営トレンド

渡辺 幸子氏

第4回「医療・介護編」―ムダなく質の高い医療・介護の仕組み 医療・介護施設の開業はまちの資源と将来性で選ぶ

超高齢化が進む日本において、質の高い医療・介護の提供は社会的要請となっている。しかし一方で、医療・介護費の膨張が避けられない中、その増加率の抑制は国の大きな課題でもある。質の維持を担保しながら、医療費をいかにコントロールしていくのか。医療経営コンサルタントの渡辺幸子氏(グローバルヘルスコンサルティング・ジャパン 代表取締役社長)に、これからの医療・介護施設の在り方と医療経営の未来像を聞いた。 (聞き手は日経BP社 日経BP未来研究所長の仲森智博氏)

データで医療を可視化、ムダを浮き彫りに

渡辺 幸子氏
Profile 渡辺 幸子(わたなべ さちこ)氏
グローバルヘルスコンサルティング・ジャパン 代表取締役社長
慶應義塾大学経済学部卒業。米国ミシガン大学で医療経営学、応用経済学の修士号を取得。帰国後、ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社コンサルティング事業部などを経て、2003年から米国グローバルヘルスコンサルティングのパートナーに就任。これまで、全国800病院以上の経営指標となるデータの分析を行う。2004年、株式会社グローバルヘルスコンサルティング・ジャパンを設立。

――今や日本は世界でも類を見ない超高齢社会を迎えました。質の高い医療を維持しながらコストダウンを図っていく必要があります。

 私が代表を務める「グローバルヘルスコンサルティング・ジャパン」はその名の通り、病院経営に特化したコンサルティング会社です。主に急性期病院(緊急・重篤な患者に対し、手術や処置など高度で専門的な医療を提供する病院)を対象に、経営改善策の提案から実行まで、病院経営の支援が主な業務です。現在国内約800病院のデータを基にベンチマークを行い経営改善に役立てています。

――DPCデータとはどのようなものでしょうか。

 病院経営を大きく変革させる制度として2003年、急性期入院医療を対象に、従来の「出来高払い」の診療報酬に、「DPC(Diagnosis Procedure Combination:診断群分類)」と呼ばれる包括評価制度を併用する制度が創設されました。
 出来高払い制はその名の通り、検査をしたら何点、投薬したら何点と、治療内容に応じて医療費が積算される報酬制度です。病院や医師の治療スタイルがそのまま報酬に反映され、時に必要のない治療も加点されやすい側面がありました。
 一方DPC制度は、あらかじめ分類された疾病群に対して、1日当たりの「定額」の報酬と出来高払い(手術など)を組み合わせたものです。定額部分(投薬・注射・処置・検査・画像)があるので、治療の際に投入する医療リソースを適正化するインセンティブが働きます。DPC制度では診療報酬がより適切になるうえ、国は、病院ごとの治療内容のバラツキを減らして質を高めることも狙っています。
 DPC制度の対象となる病院は現在約1600あり、厚生労働省が全データを管理し、病院ごとにどのような手術をしたか、薬を投与したか、検査を行ったのかが全てデータ化され、一目瞭然で分かるようになっています。

大腸の悪性腫瘍で腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術を行った場合の在院日数のバラツキ。 棒グラフ1本は、ある1つのがん診療連携拠点病院のデータを示す

病院も患者から選別される時代に

――病院にもビッグデータがあるわけですね。各病院の課題や弱点が分かるのでしょうか。

 同じDPC病院でも疾患別に見ると独自の診療スタイルやバラツキがあるのが分かります。例えば、がん診療連携拠点病院88施設の大腸の悪性腫瘍で、腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術の入院期間は7日から23日と3倍以上も違うことが、こうしたベンチマーク分析から浮き彫りになってきました。

――これまでブラックボックス化していた病院ごとの治療を可視化していくことで、質の均質化やコスト削減につながっているわけですね。患者から選別される時代を病院が迎えることになると思いますが、どのような病院が有利になるのでしょうか。

 各データをクロス集計することで相関関係がより浮き彫りになり、対策を立てやすくなります。例えば、「アウトカム(手術部位感染、術後合併症、再入院率など)」と「医療費」を掛け合わせると、それぞれの医療機関のパフォーマンスがマトリックス内で明らかになってきます。術後合併症は患者にとって不幸なだけでなく、治療のために医療費が余分にかかり在院日数も延びるので、病院にとっても不利です。急性期病院は、医療の質と医療費を疾患別に確認して、自分たちの強みや弱みを正確に把握する必要があります。病院には医療の価値(=質÷コスト)を上げていくことが国民レベルで求められているので、こうしたことに努力している病院が選ばれるようになるでしょう。

膝関節置換術における医療費と術後合併症発症率のマトリックス。「★」は医療の質(アウトカム)が高く医療費が低い病院。「×」はアウトカムが低いうえに医療費も高額

質とコストのバランスが医療の価値となる

――ああ、こうしてみると一目瞭然だ(笑)。これからは病院側が、患者から選別される時代が来ることになりそうですね。誰だって、質の高い医療を低コストで受けられる方がありがたいに決まっていますから。

 医療における「価値」は、治療効果や合併症予防、患者満足度など「アウトカム」を上げることに加え、「コスト」も考慮に入れた “費用対効果の高い医療”を提供していくことにあります。

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