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2015年3月24日

用地BIZ 特別インタビュー

高野 泰匡氏

首都圏で「工場用地」がひっ迫 圏央道沿線に地の利

一般財団法人 日本立地センター産業立地部長 不動産事業部長 高野 泰匡氏

 円安を受けて輸出産業が活性化し、製造業の国内回帰が叫ばれている。首都圏における事業施設の立地に注目が集まる中、最近の企業の設備投資の意欲と動向、立地エリアとして期待を高める圏央道沿線の状況などについて、財団法人日本立地センター産業立地部長の高野泰匡氏に聞いた。

製造業工場の国内回帰はいまだ途上

――製造業を中心に景況感が改善していますが、国内の設備投資や新規立地の動向はいかがでしょうか。

 最近の経済紙等では、「円安で製造業の国内回帰」といった活字がセンセーショナルに躍っています。確かに一部の産業機械などの大手メーカーで50haを超える大規模工場の国内新設を決定したケースもありますが、全般的には物流施設を除き工場、研究開発施設などの新規立地は大きくは動いていません。製造業の勢いが回復し、設備投資の意欲が高まっているのは事実です。しかし設備投資の攻勢局面を迎えても、まず経営者は保有資産の有効活用を優先し、機械設備や建物の更新、敷地内に余裕があれば拡張・増設するといった投資に注力し、それでも対応が難しいとなった時に初めて土地取得を含む新規立地を考えるという状況です。

――経済産業省による近年の工場立地動向調査によると新規立地は「増加」していますが。

 東日本大震災後の国のエネルギー政策の転換を受けて急増した大規模なメガソーラー施設がカウントされているためで、それらを除くと工場の立地件数は増えていません。工場や倉庫などを包括した全国的な立地統計は無く、それぞれの専門統計によるしかありませんが、それらによると工場や倉庫の新規立地は2008年のリーマンショックで一度減少したものが少しずつ回復している程度と見ています。

――全国の状況に対して、もともと土地需要の高い首都圏の状況はいかがでしょうか。

 全般的に見て国内の新規立地は足踏み状態ですが、人口や多様な産業、都市機能が集積し、2020東京五輪・パラリンピックに向けて道路交通網の整備や都市再開発が急ピッチで進む首都圏では少し違う状況が生まれています。中心域内で開発が高度に進み、産業用地の供給力が低下した結果、用地需要がより郊外へと移動し、圏央道沿線での立地意欲が高まっています。企業の立地戦略は、顧客に近いところ、地価、雇用、トータルコストで決定されていることを考えれば、首都圏のこうした傾向は今後も顕著なトレンドで、2020年に向けてさらに拍車がかかると思います。

多様な立地需要に対応する圏央道沿線

――首都圏の立地エリアとして圏央道沿線が注目される理由をお聞かせください。

 首都圏の土地活用は、中心部に業務機能、その外に居住機能、さらにその外に産業機能という配置を基本構造とし、都心部の開発の進行に伴い産業用地は「玉突き」的に外へ、外へと移動してきました。その結果、現在の国道16号の内側には産業機能が高度に集積して新規用地はほとんどないのが実情です。そこで新たな需要を受け止める次の外側エリアが圏央道沿線となるわけです。
 都心から40、50キロ圏にあり、首都圏の外側を広域にループする圏央道沿線は立地に有利な条件を満たしています。まず交通アクセスの良さが生む近接性があげられます。圏央道沿線のどこからでも都心の消費地や取引先が近い、原材料を集めやすいなど優れた時間距離メリットを提供します。今後さらに整備が進み東北・関越・常磐自動車道とつながれば、東日本、北日本をターゲットとした戦略拠点を築くロケーションとしても最適です。もちろん地価が比較的安く、妥当なコストで入手できることも大きなメリットです。一方、中央・東名・新東名へのアクセスも向上することで、西日本に基盤をおく企業が圏央道沿線に拠点を設置する事例も見られます。

圏央道やその他首都圏環状線網周辺の立地利便性 新聞報道等をもとに (財)日本立地センターまとめ

――雇用確保という観点から、圏央道沿線のポテンシャルをどう見ていますか。

 人口減少時代を迎え、良質な働き手を確保できるかどうかは企業が注目する立地条件となってきました。その点、足回りのいい圏央道沿線は定住・交流人口の増加が見込め、ニュータウンなどの街づくりも活発化しています。一般にURのニュータウンでは、学識が高く、労働意欲も旺盛な住民の方が多いため、良質な働き手を確保しやすいと企業側は考えているようです。また全開通すれば総延長300kmとなる圏央道沿線には特色を持った多様な街が展開しており、企業の戦略に合致した拠点形成が可能となることも立地意欲を高める大きな要因となっています。

国内での事業活動の課題◎出典「平成26年度新規事業所立地計画調査」(日本立地センター)より
「人材確保・育成」が上昇し平成26年度では65%と他を圧倒、以下「従業員の高齢化」39.1%と続く。日本立地センターによると、多少他の条件を犠牲にしても人材確保を優先する立地行動が現れ、人材立地の状況と分析している。

――圏央道沿線の立地動向、企業の立地ニーズや注目のエリアはいかがでしょうか。

 恵まれた立地条件を背景に、圏央道沿線では産業施設の立地が活発化しており、特に東日本大震災以降は大規模な物流施設の立地が急増しています。この理由のひとつとして、輸送技術の革新がもたらした拠点配置の自由度の拡大があります。生鮮食品の物流でいえば、以前は鮮度を保つために多数の冷凍配送拠点を必要としたのが、鮮度保持技術の向上等により圏央道沿線などに集約、統合した拠点から直接顧客にリーチできるようになりました。
 また近年、首都圏の企業では施設の老朽化、地権者との契約関係などによる潜在的な移転需要が拡大し、さらに災害に備えたリスク分散の必要性も高まっていることから、圏央道沿線をはじめ首都圏に残された産業用地への期待はますます高まっています。
 たとえば千葉ニュータウンは豊富な土地供給力があり、強固な地盤に恵まれた耐震安全性とあいまって今後存在感を増していく可能性があります。加えて圏央道の開通により渋滞が緩和される16号の活用も期待されます。またつくばエリアへの企業の関心も高いようで、つくば市が最近開催した視察会も盛況だったと聞いています。

――今後の立地活動への課題と期待をお聞かせください。

 日本の場合、やはり土地を伴う設備投資が活性化しないと本当の意味で景気は良くなりません。これからは首都圏に残された用地をはじめ移転による跡地や未利用地の活用など、様々な工夫をこらして需要に合致した立地ポテンシャルを引き出していくことが重要です。国や自治体、開発事業者、進出企業などが連携し、限られた土地資源を有効活用する積極的な取り組みに期待しています。

高野 泰匡氏

Profile
高野 泰匡(たかの・やすまさ)氏
1983年財団法人日本立地センター入所、調査部主任研究員/国際部主任研究員、地域情報部主任研究員、地域調査部長などを経て2010年より現職。日本地域政策学会、地域活性学会に所属。主な研究テーマは「地方自治体の産業拠点形成」、「地方自治体の企業誘致戦略策定調査」、「企業立地及び産業動向」、「工場跡地等未利用地の活用」など。

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