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月刊 用地BIZ 2017

[8月号特集]フォーラムレポート

2015.8.21

事業継続マネジメントフォーラム 2015
  • 事業継続マネジメントフォーラム 2015
  • 企業がいま考えておくべき、平時の備えと経営のあり方
  • 2015年7月22日(水)
    ベルサール八重洲にて開催

 2015年7月22日、東京都中央区日本橋のベルサール八重洲において「事業継続マネジメントフォーラム2015」(主催:株式会社ビジネス・フォーラム事務局、協賛:独立行政法人 都市再生機構)が開催された。フォーラムでは、慶応義塾大学の大林厚臣教授による基調講演に続き、ルネサスエレクトロニクス株式会社執行役員常務の大村隆司氏、日産自動車株式会社グローバル内部監査室主管の菅原正氏、UR都市機構首都圏ニュータウン本部長の宮本保宏をパネリスト、大林教授をモデレーターとしてパネルディスカッションが行われ、事業継続を実現する平時の備えと経営のあり方について議論した。

基調講演

大林 厚臣氏

平時における
事業継続マネジメントと経営


慶應義塾大学
大学院経営管理研究科教授
松下幸之助チェアシップ基金教授
大林 厚臣氏

想定される複合被災に備え、オールリスク対応のBCPを

便利な都市生活や事業活動がリスクを高める

はじめに、そもそも「リスクとは何か」について考えたいと思います。

まず、人がいるからリスクになるということ。無人の原野で何が起きても、それを人は災害ともリスクとも言いません。人の住む場所にリスクは生まれ、人口密度の高い都市ほどリスクは高まります。次に、人がリスクをつくるということ。たとえば人間は火を使うことで文明を進化させましたが、火を使えば使うほど火災のリスクが高まります。これは便利さにリスクが生じるということで、最近では利便性の高い情報システムの発展によりハッキングやサイバー攻撃のリスクが高まっていることでお分かりいただけると思います。そして、代替するものが無いからリスクになるということ。人の生命や安全のように、かけがえのない価値あるものだからこそ失うことに対するリスクが生まれます。

こうしたことを踏まえ、私たちが都市で生活し、企業が事業活動を追求すること自体がリスクを高めるという皮肉な構造になっていることをご理解ください。「千年の都」と呼ばれる都市も、リスクが無かったから存在できたのではなく、逆に数多くのリスクをコントロールできたから永続してきました。企業にも同じことが言えます。永く事業継続を実現している企業は、数多くのリスクをしっかり管理してきたからこそ現に存在しているのです。

フォーラムイメージ

東日本大震災が教えた、複合被災への備え

2011年3月11日に発生した東日本大震災は、企業にBCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)の重要性を喚起する契機となり、平時における事業継続マネジメントの課題を浮かび上がらせました。そのひとつが「複合被災」への備えです。

ご存知の通り、東日本大震災では津波、原発事故、風評、サプライチェーンの途絶などが複合的に発生し被害が広域に拡大しました。今後予想される大震災発生時の複合被災としてはさらに、公衆衛生の低下による感染症、大規模火災、人体に有害な物質が環境に排出される危険物漏出、被災が及ぼす経済的な影響を背景とした金融危機、災害に乗じたテロ、余震、連動・連発地震などによる被害の増幅なども考えられます。

一般に、企業のリスク対策は「本質的な原因:上流」→「経営資源の被害:中流」→「事業・利用者への被害:下流」という流れで把握します。複合被災への備えでは、仮に上流の特定原因からの対策を始めても、中流、下流の対策は他の原因の場合でも共通するため、中流の経営資源のレベルで対策を講じ、想定する原因を徐々に増やしていくことが有効です(図1)。さらに、中流や下流の被害を想定していくと、多くの「想定外の事態」もカバーできるようになります(図2)。

今後、高密度の人口集積と都市化が進む首都での大規模地震の発生が想定され、リスクの脅威も複雑化、高度化する中での事業継続を考えると、BCPにおける複合被災対策はますます重要性を高めています。

BCP:あらゆるリスクヘの対応 (図1)

想定外の事態への対応 (図2)

風評リスク対策として平時から信用を構築

東日本大震災では風評リスクの課題も浮かび上がりました。災害が起きた後で人々が情報欲求を持っているのにそれを満たす情報が得られない状況で風評は起こりやすく、不正確な情報や誰かが創作した根も葉もない情報で欲求を満たすようになると風評が拡大し、企業に被害をもたらす場合も生じます。

風評リスクへの対策は、信頼性のある情報を十分に提供して人々の情報欲求を満たすことに尽きますが、その際に情報の受信者から正確だと信用される必要があるため、日頃から情報発信チャネルを育成し、企業として信用を得ていなければなりません。平時から情報の信用性を高め、有事の際に風評を防ぐことは、マーケティングの世界で言う良質な企業ブランドを築くことと似ています。信用は壊れやすく、回復しにくいものですから、リスクにかかわるコミュニケーションもBCPの一環と位置付け、平時から地道な取り組みを進めていただきたいと思います。

Profile
大林 厚臣氏
おおばやし・あつおみ◎日本郵船勤務を経て、1996年にシカゴ大学より行政学博士号を取得。専門は、経済学、経営学、リスクマネジメント。慶応大学ビジネススクールで意思決定および経営戦略の授業を担当するほか、政府委員として、内閣サイバーセキュリティセンター分野横断的演習検討会座長、内閣府事業継続計画策定促進方策に関する検討会座長などを務める。著書に「ビジネス意思決定」(2014)などがある。

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